「もう二度と母体に宿らない」(慈経 Metta Sutta)―仏道修行のゴール
「もう二度と母体に宿る(輪廻を繰り返す)ことはありません。
(na hi jātuggabbhaseyya punaretīti)」
(Suttanipātapāḷi 1. Uragavaggo 8 スッタニパータ 1章8 Metta Sutta(慈経))
「この世とかの世とを共に捨て去る jahāti orapāraṃ」
スッタニパータ第1章
輪廻(Saṃsāra)から解脱(Vimitti)し、般涅槃(Parinibbāna)に至るということが経典ではこのように表現されている。
Parinibbānaに至り、二度と生まれ変わらないこと。
「生きる(Jati)」ことから卒業し、Dukkha(ドゥッカ 苦)から完全に解放されること―。
それが、仏道修行のゴール。
Metta Suttaは、「生きとし生けるものが幸せでありますように。(sabbe sattā bhavantu sukhitattā)」というフレーズで有名な経典だ。
その一切衆生へのMettaを説いた経典が、最後、「これでもう二度と母胎には宿りません」で終わるのは、ふつうの感覚とは違うと思った。