Cetanā(思)=Kamma(業)=Saṅkhāra(行)
Saṅkhāra(行)は、いろいろな意味がある。
そのなかでも、Kamma(カルマ、業)という意味での用法も代表的な意味だ。
その場合、
Cetanā(思)=Kamma(業)=Saṅkhāra(行)
なりたつ。
Buddha Dhammaの1つの公式のようなものだ。
Cetanā(思)とは、7つのSabba-citta-sādhāraṇa Cetasika(共一切心心所)のひとつ。
このCetanā Cetasika(思心所)がKammaを形成する作用をもつ。
以下、出典経典。
1.Cetanā(思)=Kamma(業)
比丘たちよ、Cetanā(思)こそはKammaである。人は意図すれば、身で、口で、意でKammaを作る。
Cetanāhaṃ, bhikkhave, kammaṃ vadāmi. Cetayitvā kammaṃ karoti – kāyena vācāya manasā.
Aṅguttara-Nikāya Chakka-nipāta 6. Mahāvaggo 9. Nibbedhika-sutta
増支部経典 第六集 6.大品
http://www.tipitaka.org/romn/cscd/s0403m2.mul5.xml
2. Saṅkhāra(行)=Cetanā(思)
比丘たちよ、では何がSaṅkhārā(行)か。
比丘たちよ、これらCetanākāyā(六思身、六意思身)がある。Rūpasañcetanā(色思)、Saddasañcetanā(声思)、Gandhasañcetanā(香思)、Rasasañcetanā(味思)、Phoṭṭhabbasañcetanā(所触思)、Dhammasañcetanā(法思)。
比丘たちよ、これがSaṅkhārāと言われる。
‘‘Katame ca, bhikkhave, saṅkhārā?
Chayime, bhikkhave, cetanākāyā – rūpasañcetanā, saddasañcetanā, gandhasañcetanā, rasasañcetanā, phoṭṭhabbasañcetanā, dhammasañcetanā.
Ime vuccanti bhikkhave , saṅkhārā.
相応部経典 3.蘊篇 1.蘊相応
Saṃyuttanikāye Khandhavaggo 1. Khandhasaṃyuttaṃ 6. Upayavaggo 5. Sattaṭṭhānasuttaṃ
以上より、
Cetanā(思)=Kamma(業)=Saṅkhāra(行)
である。
この内容も十二縁起やVipassanāなどに関わってくるため、細かく追究していくと、非常に内容を内包している。ここでは、とりえず、簡単な出典の紹介に留める。
わたしは、この出典をポー・オー・パユットー師『仏法』p.173などを参考にして書いた。
そして、「修行者のためのアビダンマ講座」でどう書いてあったのか、久しぶりに見返したところ、上記のAṅguttara-Nikāya の話など、非常に詳細かつ精密にCetanāの解説がなされていた。
重要なCetasikaは様々あるが、Cetanāも重要なCetasikaだ。
Cetanā Cetasika(思心所)について深く学びたい方がいらっしゃれば、マハーカルナー禅師の「修行者のためのアビダンマ講座009」をおすすめいたします。