鈴木一生さん(日本テーラワーダ仏教協会初代会長)ご逝去。
2017年7月19日(水)。
日本テーラワーダ仏教協会初代会長である鈴木一生さんが71歳でご逝去されました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。
鈴木一生さんは、日本テーラワーダ仏教協会をスマナサーラ長老と創設し、日本のテーラワーダ仏教の普及に尽力されました。
また、2007年には只見においてクムダ・セヤドーの合宿の開催し、(「パオ・メソッド」というものはありませんが)、パオ系の日本での足がかりを作られました。
私は、鈴木一生さんがいなければ、今の日本にはテーラワーダの「テ」の字もなかっただろうと思います。
私自身も、スマナサーラ長老の著書がきっかけで、Dhammaに興味を持つようになりました。
鈴木一生さんのご尽力がなければ、仏法の「ブ」の字もなく、
下手をしたら、もう20代の前半で自殺して、この世には、もういなかったかもしれません。
そういう意味では、私は、鈴木一生さんに対しては、直接会う機会はそんなに多くはありませんでしたが、仏法の伝道という点で、返せないほどの大恩があると思っています。
鈴木一生さんについて、ひとつ思い出を書くと、聖蹟羊ヶ丘のご自宅で、プラユキ・ナラテボー師の瞑想会があり、お話を伺ったことがあります。
「経典を逸脱してはダメ。『大念処経』にそってやらないと」というお話が印象的でした。
鈴木一生さんは、生前「日本で修行し、日本で解脱できるシステムを」とおっしゃられました。
私も最近、日本での仏法の実践という面では、悲観的でした。
しかし、私が仏法を行じられるのは私一人の手柄ではなく、
鈴木一生さんのような方がおられて今のパオ・セヤドー、クムダ・セヤドー、ディーパンカラ・サヤレー、スマナサーラ長老、マハーカルナー禅師のような方々と縁ができたという事実があるわけです。
自分も将来にDhammaが残るような何がしかの努力をしなければ、いけないと思いました。
それには、まず第一に仏道の実践を通して、己の人格を陶冶することではないかと思いました。
そうした地道な実践の延長に「日本で修行し、日本で解脱できるシステム」が実現できればと思いました。
いろいろ思うにつけ、鈴木さんの残されたものの偉大さを身に染みて感じ入るばかりです。
鈴木一生さん、ありがとうございました。
死ぬときの“よりどころ”をつくる
ある漫画の死の描写がとてもリアルでグッとくるものがある「これはガチ」「すごく怖い」 - Togetterまとめ https://togetter.com/li/1079099
死ぬときは、目も見えず、耳も聞こえず、意識も朦朧とし……
そういう状況で死んでいく。
死ぬときに、死んで次にどこに行くかわからないというのは、ものすごく恐ろしいこと。
私は自分の父の死に際してその恐怖の鱗片を垣間見た気がする。
ダンマパダに以下のような文章がある。(岩波文庫『ブッダの真理のことば 感興のことば』)
18. Malavaggo
235.
Paṇḍupalāsova dānisi, yamapurisāpi ca te [taṃ (sī. syā. kaṃ. pī.)] upaṭṭhitā;
Uyyogamukhe ca tiṭṭhasi, pātheyyampi ca te na vijjati.
236.
So karohi dīpamattano, khippaṃ vāyama paṇḍito bhava;
Niddhantamalo anaṅgaṇo, dibbaṃ ariyabhūmiṃ upehisi [dibbaṃ ariyabhūmimehisi (sī. syā. pī.), dibbamariyabhūmiṃ upehisi (?)].
要するに、自分の死に際して“よりどころ”を作りなさいということだと思う。
“よりどころ”とは善行によって作られた波羅蜜や善業などになると思う。
自分は仏道修行に感じて、最終的な目標は解脱、涅槃だが、
その途中の目標として、今生で如何に自分が死ぬときの“よりどころ”を確立させるかということを立てている。
とても大切なことだと思う。
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